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【体験談】うつ病の症状・原因と自分でできる予防策|公務員とうつ病

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水中で仰向けになる男

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こんにちは、元公務員のharukaです。私はうつ病を発症し長期休職後に復職し、再発によって休職し、結局退職しました。(退職後も通院しています)そんな私の経験を基に、あなたに寄り添った記事が書けるよう心がけています。

「寝つきが悪い」、「夜中に目が覚める」、「疲れやすい」、「朝が来ると憂鬱になる」とお悩みではありませんか?

もしかすると、それは「危ないよ!」と心や身体があなたに必死で訴えているのかもしれません。「まさか自分が?」と思われるかもしれませんが、実は「公務員のうつ病」は、それほど珍しいことではありません。どの自治体でも全職員の約2%がうつ病を含む精神疾患で1ヶ月以上の長期休養状態にあります。休むほどの重症でなくとも、潜在的なうつ症状に悩んでいる公務員は30%以上だとも言われています。

この記事では、地方公務員が直面している「うつ病」の現状に触れ、原因や対策について丁寧に解説します。「うつ病」そのものを治すことはできませんが、「うつ病」のことを知り、対策を講じるお役には立てるはずです。

「うつ病」は、ストレスが原因で脳の働きに何らかの問題が起きた状態であると考えられています。周囲の人からは「やる気がないだけじゃないの」、「さぼってる」と思われがちですが、本人の気力だけでどうにかなるものではありません。「病気」なので自分を責める必要はありません。

目次

うつ症状セルフチェック

今現在、次のような症状はありませんか?健康的な方でも一時的には該当することもあると思いますが、これらの症状が2週間以上続く、あるいは複数に該当し何日も続くようであれば、それは「うつ」症状の始まりかもしれません。
心と身体は連動しているので、心の不調が体調に現れることがあります。それが心や身体が「がんばりすぎじゃない?」、「そろそろ危ないよ」と発しているサインです。「自分は大丈夫」と過信せず見逃さないようにしましょう。

  • 体がだるく疲れやすい
  • 寝つきが悪い/朝早く目覚める/夜中に目が覚める
  • あまり食欲がない/食べることに関心がない
  • あまり性欲がない
  • お酒の量が増えた/寝つきをよくするためにお酒を飲む
  • 気が沈んだり気が重くなることがある
  • 何をしていても楽しくない
  • たくさん買い物するが買ったものを使わず放置している
  • ふと「死」について考えることがある/「死ねば楽になるかも」と考えることがある
  • 自分は仕事熱心で几帳面な性格だと思う/完璧主義/ルールは守る
  • 特に朝のうちは気力がない/仕事に行きたくない
  • 人生がつまらなく感じる/存在意義が分からない/仕事をして家に帰って寝るだけの毎日
  • 仕事がはかどらず、何をするにも億劫だ/自分の外見に気を配らなくなった
  • 集中力が続かない
  • 首筋や肩がこる
  • 偏頭痛がする
  • めっきり口数が減った
  • 息が詰まって胸苦しくなる時がある
  • 喉の奥に物がつかえているいる感じがする
  • 事故や怪我をしやすくなった/注意力が散漫・ボーッとしている

「睡眠」は特に重要です。「寝つきが悪い」などの症状がある方は専門医を受診して睡眠薬を処方してもらうことをおすすめします。(*「薬依存」を心配されるかもしれませんね。症状が落ち着いてきたら徐々に量を減らして無理なく投薬を中止できるよう医師が計らってくれますので、ご安心ください。)
私の場合、布団に入って2、3時間寝付けない状態が10年以上続きました。市販の睡眠導入剤を服用しましたが効果は長く続かず、毎日風邪薬とお酒を飲んでいました。診断書をもらいに行った時に病院で処方してもらった薬(ハルシオン)を飲むと、自然と眠気が来るようになったので、今となっては「もっと早く受診していれば」と後悔しています。

うつ病の症状

「うつ病」は心(気分・思考)だけではなく、身体の症状として表れることもあります。症状の進行具合によっては、日常生活に悪影響を及ぼすようになることもあります。
「仕事に行きたくない」、「職場には何とか行ってるけど仕事に集中できない」、「今まで当たり前にできていた家事がこなせない」、「趣味や旅行をしたいと思わない」、「人付き合いがおっくうになって誘いを断る」といったことが目立ちはじめます。

心の症状(気分・思考)

「うつ病」の主な心の症状として次のものが挙げられます。

  • どんよりした気分
  • 不安や焦り
  • 消えてしまいたい/楽になりたい
  • 興味や喜びの喪失
  • 意欲の低下/何をするにも億劫
  • 会話や文章の内容が頭に入ってこない/集中できない
  • イライラする
  • 自己否定/こんなんじゃダメだと自分を責める

身体の症状

「うつ病」の主な身体の症状として次のものが挙げられます。

  • 寝つきが悪い/夜中に目が覚める/睡眠不足
  • 食欲がない/性欲がない
  • 動悸が激しくなる/口が渇く
  • 身体が重い、痛みがある(肩こり・腰痛・頭痛など)
  • 疲れやすい/だるい

私の場合、突然左腕がズキズキと痛むようになりました。以前「帯状疱疹」を患ったことがあって、その痛みに似ていたので、皮膚科に行きましたが、帯状疱疹ではありませんでした。次に整形外科でMRIを撮りましたが異常はありませんでした。整体にも行って身体の歪みを整えてもらいましたし、「もしかすると噛み合わせが悪いのかも」と思い歯科にも行きましたが、結局原因は分からずじまいでした。
痛みは2ヶ月ほどで治りましたが、後日、診療内科のカウンセラーに訊ねたところ、「精神的な問題が身体的な症状として表れることはよくある」とのお話を伺いました。痛み始めたのが異動内示後の3月末のことだったので、もしかするとそれがストレスだったのかもしれません。(異動先が嫌だとは思っておらず、むしろやる気満々だったんですが)

地方公務員のうつ病について

いつの時代も「公務員バッシング」はありますし、自分のストレス発散のためとしか思えないような理不尽なクレームを受けることも日常茶飯事でしょう。特に新型コロナウィルスの影響で人心も荒んでいる現在にあっては、公務員への風当たりはより一層強くなっています。そのような状況の中で、心疾患による公務員の長期休職者は毎年増加しています。

ここでお伝えしたいのは、「あなただけじゃないから安心してください」ということです。決して「あなただけじゃないんだから甘えないで!」ということではないので、くれぐれも誤解しないようにしてください。

この章では、一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会が毎年実施している「地方公務員健康状況等の現況調査」の令和3年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)の調査結果概要を引用して説明します。(調査結果概要のすべてをご覧になりたい方はこちらからご覧いただけます。当該法人ホームページのPDFファイルが開きます。)

地方公務員の精神障害等による長期病休者数は15年前の2倍超

図1
図2

上のグラフは「一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会」が発表した地方公務員80万人を対象とした調査結果ですが、長期病休者数(1ヶ月以上の療養者)は「10万人当たり3,017.6人」と、前年度より223人(7.39%)増加しています。(図1参照)

そのうち「精神及び行動の障害」が原因の人が「10万人当たり1,903.3人」で、長期病休者の63.1%を占めていて、前年度より190人(9.98%)増加しています。その数は15年前(平成18年度)の2倍超にも達しています。(図2参照)

図を見ると一目瞭然ですが、右肩上がりに上昇している傾向があることが分かります。特に令和1(2019)年度以降に急上昇していますが、2019年12月に新型コロナウィルスが発見され、その後数カ月で世界的なパンデミックを引き起こしたことと関係があるのかもしれません。

近年、少子化・高齢化に加えてデジタル推進などの分野に関する国の新規事業の増加などに伴い、地方公務員の仕事は非常に雑多になってきています。「スクラップ」することなく「ビルド」されるので業務量が増加する一方です。それにもかかわらず固定費削減のため人員は抑制されているので、職員一人当たりの負担量も増加しています。

さらに、病休や産休・育休職員の代替として会計年度任用職員や臨時的任用職員が採用されますが、実際には正規職員と同等の業務を行うことはできないので、他の正規職員の負担が増えるという悪循環が起こります。

説明は不要かと思いますが、病休、産休・育休を取得する職員が悪いわけではありません。

国家公務員|うつ罹患者増加傾向、若年層の意識に変化

人事院が作成したガイドブック「国家公務員とメンタルヘルス」によれば、「心の疾病」が原因の長期病休者は一旦は減少傾向にありましたが、平成28年度から3年連続で増加しています。

官僚の早期離職者増加&志望者数大幅減
内閣人事局の調査で、自己都合で退職した20歳代の国家公務員総合職は、2019年度までの6年間で約4倍に増え、30歳未満の男性職員の7人に1人が「3年以内に辞めたい」と回答しました。背景には国会答弁の作成などで夜通し残業を強いられる過酷な労働環境があるようです。新型コロナウィルス対策の担当職員の一月の残業時間が364時間だったという事実も明るみになりました。一月休みなしで毎日12時間残業という信じられない数字です。
また、人事院によると2021年度の試験申込者数は14,310人で、現行の試験制度が導入された2012年度(23,881人)以降で最小でした。

うつ病の原因は?

うつ病はストレスが原因だと考えられていますが、ストレスには「仕事上のストレッサー」「仕事外のストレッサー」があります。

「ストレッサー」とは「ストレスの要因」のことです。つまり、「何に対してストレスを感じているのか?」ということです。

仕事上のストレッサー
  • 長時間勤務
  • 過度な心理的負荷のかかる勤務
  • 上司・同僚・部下との人間関係
  • 昇進・異動・組織改編などによる職場環境の変化
  • パワーハラスメント
  • セクシャルハラスメント
仕事外のストレッサー
  • 親との関係(養育環境、親の介護など)
  • 子育て
  • 夫婦関係
  • 病気
  • 恋人・友人との関係

「子育て」については、共働き世帯が一般的となってきた現在においても、「ワンオペ」とも言われるように女性の負担が大きいことが社会問題となっています。制度上の優遇措置(特別休暇/短時間勤務)はありますが、職種や繁忙時期によっては職場の理解が得られない場合もあり、または制度を利用した際の「同僚への言いようのない申し訳なさ」により更にストレスを感じてしまう人も少なからずいます。

うつ病の対策

うつ病は放っておけば勝手に治るものではありませんので、無理をすれば症状が悪化していき、最悪の場合には生命の危険さえあります。

最も適切なのは、専門医に相談することですが、ここでは自分でできる対策を紹介します。あくまでも予防的なものですので、重い症状の場合はこの方法を試さずに大至急専門医を受診してください!

マインドフルネス

「マインドフルネス」という言葉をお聞きになったことはありませんか?

私たちの心の中では、常に過去のこと(後悔や思い出)や未来のこと(不安や妄想)についての思いが行ったり来たりしていて一箇所に落ち着いていません。「あの時ああしていれば…」、「あの頃はよかったな」、「私の人生これからどうなるんだろう…」、「お金持ちになったら何をしようかな」。それらの考えは無意識に浮かんでくるものですが、とても多くのエネルギーが使われており、私たちの心を疲弊させると同時に本来の心や身体が発信するメッセージを妨害します。いわゆる「雑念」と呼ばれるものです。

この「雑念」に支配されると、自分が本当は「何を考えているのか?」、「何を感じているのか?」、「何をしたいのか?」が分からなくなってしまいます。

「マインドフルネス」は、呼吸に意識を集中させることで「今の自分自身をありのままに感じ取り」、自分本来の心や身体が発信しているメッセージを受け取れるようにするための手法です。ストレス軽減を図りリラクゼーション効果が得られます。

「マインドフルネス=瞑想」というイメージが強いと思います。実際、慣れるまでは静かな時間・場所を選んで瞑想をすることをおすすめします。鼻から吸って鼻から吐く呼吸の出入りに意識を向け、「腹式呼吸」(吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時にお腹が凹む)しましょう。慣れてきたら日常生活の様々な動きの中でもマインドフルネス体験をすることができるようになります。ポイントは気分・感情、評価を差し挟まないことです。「物事をありのままに受け入れ、味わい、手放す」ことが重要です。

私が救われた本

「マインドフルネス」には、ストレスを和らげる効果があります。静かな場所で自分の呼吸に集中することで、雑多な日常を離れて「自分が存在していること」、「心の動き」、「身体の状態」などをセルフモニタリングできます。寝転んだ状態でもできるのでおすすめです。読んでいるうちに「私の人生が無尽蔵の可能性に満ちている」という感動に似た感情が顕れてきて驚いたことを今でも憶えています。マインドフルネスを用いてストレスとどう向き合っていくのかについて丁寧に分かりやすく書かれていますので、初心者の方にもおすすめできる一冊です。私の苦しい時期を救ってくれた本です。

マインドフルネス&スキーマ療法

クリニックを運営し、多くの患者さんを快方に導いた伊藤絵美さんのマインドフルネスの入門書です。多くの実例をつかった説明はとても分かりやすく、ページ数、デザイン、言葉遣いなど含めて、とても読みやすい本です。

認知行動療法

「認知行動療法」とは、ストレス問題を「認知」と「行動」に分解して、自分で改善するための心理学的手法です。

冒頭で「ストレス」は、「ストレッサー(ストレスの原因となる環境要因)」と「ストレス反応(ストレッサーが個人に与える影響や身体反応)」という構造を持っているということを説明しましたが、「認知行動療法」では「ストレス反応」を「認知、気分・感情、身体反応、行動」の4つに分類します。

認知行動療法のストレス反応モデル

認知:頭の中に自然に浮かぶ考えやイメージ
気分・感情:うれしい、楽しい、不安、悲しい、愛しい、寂しい、つらい、リラックスなど
身体反応:ドキドキする、汗が出る、頭に血がのぼる、かゆい、お腹が痛いなど
行動:頭を抑える、爪を噛む、歩く、しゃべる、本を読む、お酒を飲む、にらむ、ため息をつくなど

例えば、「職場で同僚に挨拶したのに相手から返事がなかった」という場合、AさんとBさんの二人には次のような違いがあります。

AさんBさん
環境相手から返事がない相手から返事がない
認知無視された、何か悪いことしたかな聞こえなかったのかな、それとも忙しかったのかな
気分・感情不安、心配、悲しい平静
身体反応胸が苦しいなし
行動ため息をつく、仕事が手に付かない通常どおり仕事をする

「挨拶したのに相手から返事がない」という環境はAさん、Bさん共通の事実ですが、その受け止め方(認知)の違いで「気分・感情」、「身体反応」、「行動」に影響が出てくることが分かります。しかし、「ストレッサー(環境要因)」、「気分・感情」、「身体反応」は、自分で直接コントロールすることができないので、「認知」と「行動」をコントロールすることになります。

先ほど「認知とは、頭の中に自然に浮かぶ考えやイメージだ」と言いましたが、「自然に浮かんでくるものをコントロールできるのか?」と思われるでしょう。確かに自然に浮かんでくるものを抑えることはできません。しかし、浮かんできた考えに支配されるのではなく、意識的に別の思考を思い浮かべることはできます。Aさんの場合、「無視された」と自然な考えが浮かんできますが、その後「いや待てよ、もしかすると忙しかったんじゃないかな?慌てて走って行ってたし。後で様子を覗いてみよう。」と考えることで、行動も変わってくるでしょう。

人には育ってきた環境や現在置かれている状況によって、「思考のクセ」があります。その「クセ」に気づいて修正することで生きやすくする、それが「認知行動療法」です。そもそもが違法行為とも言えるパワハラなどの強力な環境要因には対処できませんが、「些細なことにストレスを感じる」という方には効果絶大です。

認知行動療法

企業EAPの業務経験を持つ臨床心理士・伊藤絵美さんが、認知行動療法の基本的な考え方に加えて、「無能な同僚に腹か立って仕方がないカオルコさん」、「キレる医師のいる職場に恐怖を感じるサチコさん」、「相性の悪い後輩の指導を任されて悩む先輩看護師アヤカさん」、「精神的に不安定な生徒とのかかわりに悩むタマキさん」など実例を通じて「何を考えていたのか」、「どうすればよかったのか」、「どうすればいいのか」という解決に辿り着くまでの過程を丁寧に分かりやすく解説している入門書です。きっと自分と同じことで悩んでいる人の実例が見つかると思います。

まとめ

厚生労働省の調べによると、15人に1人が生涯にうつ病を経験していると推定されています。全ての人が重症になるわけではありませんが、誰がなってもおかしくない身近な病気だということはお分かりいただけると思います。実際そのような同僚を多くご存知ではないでしょうか?

公務員は、過酷な労働環境下で働いており、日々深刻なストレスと向き合っています。しかし、「定時で帰れそう」、「不景気でも給料が下がらない」という世間のイメージは根強く、その現実との乖離が新たなストレスを生み出しているのかもしれません。

ストレスとの付き合い方を学び、自分を守る術を手に入れてください。あなたを必要としている人がいます。その人たちのためにも、まずはあなた自身を大切にしてください。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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この記事を書いた人

公務員を辞めてブログ執筆を中心に活動中。
好きなことは読書、コーヒー、家電、美容などです。自分が疑問に感じたことや自分で実際使ってみてオススメしたいものなどについて、初心者の方でも分かりやすいように説明することを心がけています。よろしくお願いします。

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