2021年5月10日付で「避難勧告に関するガイドライン」(内閣府)が改定されました。この記事では、2023年6月現在で最新版の「避難勧告に関するガイドライン」について、防災士目線で解説します。
地域 | 梅雨入り | 梅雨明け(例年) |
東北北部 | 6/15 | 7/28 |
東北南部 | 6/12 | 7/24 |
北陸 | 6/2 | 7/23 |
関東甲信 | 6/2 | 7/19 |
東海 | 5/29 | 7/19 |
近畿 | 5/29 | 7/19 |
四国 | 5/29 | 7/17 |
中国 | 5/29 | 7/19 |
九州北部 | 5/29 | 7/19 |
九州南部 | 5/30 | 7/15 |
沖縄 | 5/18 | 6/29 |
最新の避難勧告ガイドライン
2021年5月10日付で改定された「避難勧告ガイドライン」は次のとおりです。市区町村から「避難指示」が発令された場合は、速やかに避難してください。
警戒 レベル | 発令名称 | 取るべき行動 | 状況 |
5 | (自治体) | 緊急安全確保命の危険!直ちに安全確保! | 災害発生・切迫 |
4 | (自治体) | 避難指示危険な場所から全員避難 | 災害のおそれ高い |
3 | (自治体) | 高齢者等避難危険な場所から高齢者等は避難 | 災害のおそれあり |
2 | (気象庁) | 大雨・洪水注意報自分の避難行動を確認する | 気象状況悪化 |
1 | 早期注意情報 (気象庁) | 災害への心構えと防災グッズの備蓄を確認する | 気象状況悪化のおそれ |
改定前の課題と対応策
今回の改定に当たっては、令和元年台風第19号等の避難情報や広域避難の課題と対応策を検討するために、学識者や首長で構成されるサブワーキンググループで、制度的な論点が議論されました。
「避難勧告」と「避難指示」の意味の違いが分かりにくい
- 住民ウェブアンケートでは、「避難勧告」と「避難指示」の意味を正しく理解していたのは2割未満
- 市町村向けアンケートでは、「避難勧告」と「避難指示」の両方が警戒レベル4に位置付けられており、住民に分かりにくいとの回答が7割
避難のタイミングを明確にするため、警戒レベル4の「避難勧告」と「避難指示(緊急)」を「避難指示」に一本化
警戒レベル5「災害発生情報」は、とるべき行動が分かりにくく機能していない
災害が発生・切迫し、警戒レベル4「避難指示」の時点で避難場所への避難が安全にできない場合、自宅や近隣の建物で緊急的に安全確保するよう促す警戒レベル5「緊急安全確保」に変更する
警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」の名称が長い
避難対象を明確にするため、警戒レベル3の名称を「高齢者等避難」に変更する
「災害が発生するおそれ」の段階で自治体が避難先などの調整を行う仕組みがない
「災害が発生するおそれ」の段階で、広域避難のための協議・要請を行える仕組みを制度化する
まとめ
今回のガイドライン改定は、過去の災害被害を教訓にして課題を浮き彫りにした上で対応策が検討されました。住民アンケートや自治体アンケートから課題を抽出し、専門家らによるワーキンググループによって検討されたものです。
私たち住民にとっては、シンプルで分かりやすくなったのではないかと思います。大雨に限らず、災害はいつ・どこに発生するか分かりません。
無事な今だからこそ、ハザードマップや避難所・経路の確認や防災グッズの備蓄をしておきましょう。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。