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【2023年6月最新版】避難勧告ガイドライン|内閣府防災担当発表

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山に囲まれた盆地

2021年5月10日付で「避難勧告に関するガイドライン」(内閣府)が改定されました。この記事では、2023年6月現在で最新版の「避難勧告に関するガイドライン」について、防災士目線で解説します。

今回の改訂で以前から「紛らわしい」と批判の声が多かった「避難指示」と「避難勧告」が「避難指示」に一本化されました。私の担当地域でも『「勧告」に強制力はないんだし、まだ安全なんだよね』という認識の方が多くいらっしゃいました。確かに強制力のない情報提供に過ぎませんし、市区町村の職員に尋ねられても納得できる答えは得られなかったでしょう。しかし、災害レベルとしては上から2番目ですので、把握できていないだけで、既に災害が発生している可能性もあるのです。過去の経験などを過信せず情報収集と迅速な行動を心がけてください。

2023年6月4日現在最新梅雨入り情報
地域梅雨入り梅雨明け(例年)
東北北部6/157/28
東北南部6/127/24
北陸6/27/23
関東甲信6/27/19
東海5/297/19
近畿5/297/19
四国5/297/17
中国5/297/19
九州北部5/297/19
九州南部5/307/15
沖縄5/186/29
赤字は予定

九州北部、四国、中国、近畿、東海は平年に比べて1週間ほど早い梅雨入りで、東海と近畿で5月に梅雨入りするのは10年ぶり。

目次

最新の避難勧告ガイドライン

2021年5月10日付で改定された「避難勧告ガイドライン」は次のとおりです。市区町村から「避難指示」が発令された場合は、速やかに避難してください。

スクロールできます
警戒
レベル
発令名称取るべき行動状況
緊急安全確保
(自治体)
命の危険!直ちに安全確保!災害発生・切迫
避難指示
(自治体)
危険な場所から全員避難災害のおそれ高い
高齢者等避難
(自治体)
危険な場所から高齢者等は避難災害のおそれあり
大雨・洪水注意報
(気象庁)
自分の避難行動を確認する気象状況悪化
早期注意情報
(気象庁)
災害への心構えと防災グッズの備蓄を確認する気象状況悪化のおそれ

雨が降り始めてから準備をしていては手遅れになります。防災グッズは今のうちに準備しておきましょう。また、お住まいの地域のハザードマップで「浸水想定区域」と自宅・避難所との関係を把握しておきましょう。

市区町村は、いわゆる「空振り」を恐れています。仮に「避難指示」を発令し、住民の一部が避難したにもかかわらず実際に災害が発生しなければ、それ以降住民から多くのクレームが寄せられるからです。
「そんなことで苦情を言う人がいるの?」と驚かれるかもしれませんが、小学校のチャイムやサイレン、ヘリコプターの音まで市役所に苦情を言う人はいるんです。
ですから、実際に自治体が「避難指示」を発令するということは、相当程度に災害発生の蓋然性・危険性があるということは忘れないでください。

改定前の課題と対応策

今回の改定に当たっては、令和元年台風第19号等の避難情報や広域避難の課題と対応策を検討するために、学識者や首長で構成されるサブワーキンググループで、制度的な論点が議論されました。

「避難勧告」と「避難指示」の意味の違いが分かりにくい

  • 住民ウェブアンケートでは、「避難勧告」と「避難指示」の意味を正しく理解していたのは2割未満
  • 市町村向けアンケートでは、「避難勧告」と「避難指示」の両方が警戒レベル4に位置付けられており、住民に分かりにくいとの回答が7割
対応策

避難のタイミングを明確にするため、警戒レベル4の「避難勧告」と「避難指示(緊急)」を「避難指示」に一本化

警戒レベル5「災害発生情報」は、とるべき行動が分かりにくく機能していない

対応策

災害が発生・切迫し、警戒レベル4「避難指示」の時点で避難場所への避難が安全にできない場合、自宅や近隣の建物で緊急的に安全確保するよう促す警戒レベル5「緊急安全確保」に変更する

警戒レベル3「避難準備・高齢者等避難開始」の名称が長い

対応策

避難対象を明確にするため、警戒レベル3の名称を「高齢者等避難」に変更する

「災害が発生するおそれ」の段階で自治体が避難先などの調整を行う仕組みがない

対応策

「災害が発生するおそれ」の段階で、広域避難のための協議・要請を行える仕組みを制度化する

まとめ

今回のガイドライン改定は、過去の災害被害を教訓にして課題を浮き彫りにした上で対応策が検討されました。住民アンケートや自治体アンケートから課題を抽出し、専門家らによるワーキンググループによって検討されたものです。

私たち住民にとっては、シンプルで分かりやすくなったのではないかと思います。大雨に限らず、災害はいつ・どこに発生するか分かりません。

無事な今だからこそ、ハザードマップや避難所・経路の確認や防災グッズの備蓄をしておきましょう。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

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この記事を書いた人

公務員を辞めてブログ執筆を中心に活動中。
好きなことは読書、コーヒー、家電、美容などです。自分が疑問に感じたことや自分で実際使ってみてオススメしたいものなどについて、初心者の方でも分かりやすいように説明することを心がけています。よろしくお願いします。

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